日本のヒップホップシーンにおいて、歴史的傑作となっているSEEDAのアルバム、
『花と雨』
が映画になりました。
これはもう観る以外の選択肢はないというものです。
ということで、今回は映画の詳細も含め、しっかりお伝えしていきたいと思います。
Youtubeでティーザーを見てからというもの、めちゃくちゃ楽しみで仕方ないこの映画なんですが…
皆さんは、ティーザーをご覧になりましたかね?
まだの方に向けて、まずはそこからいきましょうか。
映画『花と雨』|2020年1月17日公開 | YouTube
いやいや…
間違いなくヤバいやつでしょこれは?(笑)
今回メガホンをとったのは、「Perfume」や「水曜日のカンパネラ」など多くのアーティストのMVを手掛けてきた映像ディレクターの土屋貴史。
土屋氏はこの『花と雨』が長編商業映画のデビュー作となるようで、そのあたりも期待値が高いです。
また、本作の音楽プロデュースをSEEDA自身がつとめているため、恐らく挿入歌として『花と雨』に収録されている楽曲がバンバン流れるのではと予想。
映像と楽曲をリンクさせることに関しては、土屋氏の専売特許なので、曲が流れるシーンでは毎回ニヤニヤしてしまいそうですね(笑)
物語の主人公となる吉田を演じるのは「デイアンドナイト」や「おいしい生活」などに出演した笠松将。
身長差でいうとSEEDAくんとはかなりギャップがありますけども、なかなか面白いキャスティングではないでしょうか?
SEEDAくんも笠松くんが本人役を演じるにあたり、全幅の信頼を寄せている様子。
SEEDAとは実際に会う機会があったそうで、「一言では片づけられない人」とその印象を紹介。「一番いいエピソードは9月3日にクランクインしたんですけど、その前日の2日にSEEDAさんから僕と二人で会いたいと連絡をもらって」と深夜に二人でドライブをしたことを明かすと、「ラップが下手だからカットって言われるかなとか、いろんな不安を胸に抱いて会ったら、この時はあんなことがあったんだよとか、あの歌詞書いた時はこうだったとか、いろんな話をしてもらえて、いろんな場所へ連れて行ってもらえた。そして笠松さんにすべて託したいと言ってもらえた」と嬉しそうに振り返った。
引用元:シネマトゥデイ
曲を書いた当時の心境などを実際に本人から聞かせてもらえるというのは、演じる上でめちゃくちゃプラスに働いたのではないでしょうか。
そして、そんな笠松くんにラップにおける演技指導を行ったのは、東京最高峰のMCとも称される仙人掌。
仙人掌 “Be Sure” (Official Video) | YouTube
もうこの名前を見た瞬間、
(あ、本気やなこの作品は…)
となりましたよね(笑)
主演の笠松くん自身、元々ヒップホップ・ラップが好きだと公言していることもあり、仙人掌くんの演技指導でそのラップスキルがどこまで仕上がっているのかも見どころの1つです。
さて、ここからは今回映画化される『花と雨』というアルバムについて、少しお話ししていきたいと思います。
『花と雨』は、以前も書いたことがありますけども、日本のヒップホップシーンに1つの重要なターニングポイントをつくった素晴らしいアルバムです。
当時ノリにノッていたBACHLOGIC氏の全編プロデュースということはもちろんなんですが、東京という街の持つ空気感を、ストリートの視点から鮮やかにリリックへ落とし込んだSEEDAくんの表現力に脱帽したのを、今でもはっきりと覚えています。
ドラッグディールに手を染めながらも、ヒップホップで成功するためにもがいていたSEEDA。
その過程で直面する様々な人間模様と喜怒哀楽。
アルバムを通して聴いたとき、
“まるで一人のストリートキッズの人生をトレースしたような錯覚を起こしてしまう”
それぐらいに緻密な描写で、心に迫る作品だったのです。
そして、そのアルバムの中でも、ひときわ特別な存在感を放っていた一曲が、4つ歳の離れた実姉のことを歌い、アルバムタイトルともなった「花と雨」という楽曲。
ネタバレするのもよくないので楽曲についての詳細は省きますが、大西礼芳が演じる実姉と吉田との関係が、どのように映像化されているのかが非常に気になるところです。
そんな映画『花と雨』の公開情報は、以下の通り。

監督:土屋貴史
出演:笠松将、大西礼芳ほか
製作年:2020年
製作国:日本
配給:ファントム・フィルム
上映時間:114分
劇場公開日:2020年1月17日(金)
オフィシャルサイト
事前に『花と雨』というアルバムを事前に聴き込んでいるかいないかで、この映画の面白さはだいぶ変わってくると思うので、ぜひ予習しておくことをオススメします。
欲を言えば『GREEN』から聴いておくとなお良しですが。
個人的に『花と雨』は、いい意味でそれまでのSEEDAというラッパーを、より大衆に向けて聴きやすくしたアルバムだと思っているので、そうじゃない…
尖って尖って尖りきって、今にも爆発しそうなSEEDAを知っておくことで、より深い部分でこの映画の主人公とシンクロできるんじゃないかと思います。
それでは、上映当日、映画館でお会いしましょう。
またねー。